コンテキスト広告について解説します。コンテキスト広告は、Cookieレス（Cookieが取れなくなる）状況を見越して、作られた広告配信方法。コンテキスト広告はホームページのキーワード、文章、画像などを、機械学習させた人工知能によって自動で解析して、そのページが何のページかをカテゴライズして、ページのコンテンツにあった広告を配信する方法です。
生生しい話、web広告配信会社において、iOSやアンドロイドでも、PCでも、webブラウザ経由で、個人が見ているホームページの情報などを取得できなくなってきています。その結果、広告によって、モノが売れないようになってきます。結果、ネット広告自体も売れなくなる。。時代になってきてしまいます。データを活用して、ネット広告を配信できるので、ネット広告は効果が高かったのに、その方法が使えなくなるんですから、それは自明の理です。
GoogleやApple、アマゾンのように自社で大量の会員データを持っている企業は別ですが、そうではない、広告配信会社が生き残るために、開発された方法が、このコンテキスト広告なのです。ということで、次世代のweb広告、コンテキスト広告について、解説していきます！
コンテキスト広告とは
コンテキスト広告とは、AI（人工知能）を活用して、広告配信先ホームページを、テキスト、画像、キーワードから分析して、そのページにあった広告を配信する仕組みです。
コンテキスト広告は、コンテクスチュアル広告とも呼ばれます。
コンテキスト広告のAIは、結構すごくて、キーワードや文章から、その文章の意見、方向性も分析してくれます。
たとえば、いちごのおいしさを語っているページがあったとしたら、コンテキスト広告は、いちごのECサイトの広告を配信するでしょう。
しかし、いちごは農薬がいっぱいで健康的でない！という意見のページであったら、コンテキスト広告は、いちごのECサイトの広告は配信しません。
きっちりと、ページの文脈を解釈して、広告を配信してくれるのです。
文章だとわかりにくいかも、ですね。
そこで、Youtubeで、探してみました、コンテキスト広告を解説している動画。
やわらかいイラスト付きで、
NRI社の作っている動画なので、わかりやすいと思います。
コンテキスト広告 メリット
コンテキスト広告のメリットは、なんといっても、コンテンツと合致していて、自然な形で、ユーザーに、広告を訴求できることですね。
コンテキスト広告は、消費者が今、見ているページのコンテンツや画像に適した広告が掲載されるので、自然に、コンテンツになじみます。
また、ユーザーは、興味があって、対象のページを読んでいるわけですから、当然、広告とユーザーとの距離は近くなります。
すなわち、ユーザーの興味関心に対して、親和性のある広告となるのです。
このほかにも、コンテキスト広告には、メリットがあります。
それは、ユーザーの情報を取得しなくてもいい！というメリットです。
プライバシー保護の観点で、cookieの取得が難しくなってきている2022年。GDPR対策などは当たり前の時代です。
Googleもchromeブラウザから、cookieの取得をできなくする仕様を、計画的に進めています。こうなると、会員データを持っていて、広告サービスを提供している広告配信会社のサービス以外では、データマーケティングができなくなります。
つまり、Google、facebook、アマゾン、appleといったGAFAに限られていくことでしょう。日本でいえば、楽天市場、Yahooくらいですよね。
寡占が始まると当然ですが、広告費用はあがりますし、効果も下がってきてしまいます。
ですが、こういったことがなくなるのが、コンテキスト広告 メリットなんですよね。cookieなしで、広告を配信できるんですから。
ということで、コンテキスト広告 メリットは、
- ユーザーに自然な訴求が可能
- 興味関心に近いユーザーへ広告配信できる
- cookieを使わないので、これからもデータマーケティング可能
という3つのメリットがあります。
コンテキスト広告 デメリット
こんなにすばらしいコンテキスト広告ですが、しっかり デメリットもあります。
デメリットは、主に2つ考え付きます。
- AIの判断精度
- 広告効果
この2つです。
AIの判断精度
機械学習した人工知能が、広告を掲載するホームページのカテゴリや内容を判断します。これが、コンテキスト広告のポイントです。
しかし、この判断や精度が、すべてのコンテキスト広告でうまくいくとは限りません。これが課題、ミソなんですよね。
先程掲載したいちごの例はわかりやすい話ですが、いちごをほめている記事で、いちごの広告を掲載するのではなく、そのユーザーが、見てきた、旅行サイトのデータをもとに、旅行、ホテルの広告を掲載するのが、今の、cookieを使ったデジタル広告です。
いちごだから、いちごの広告では短絡的で、なぜ、ユーザーがいちごのページを見るに至ったか？その背後のストーリーを考えて、機械学習して、広告を配信することでこそ、デジタルマーケティングの成果は出てくるのだと考えられます。
ユーザーに紐づいているデータではないので、そこまでは・・と思うかもしれないですが、実際、それが、リスティング広告や、ディスプレイ広告が、徐々に売れてきた理由なんだと考えられます。
広告効果
そもそも、コンテキスト広告について考えたとき。
昔からあったよね。って思いませんか？
アフィリエイト広告のバナー掲載と、似ているんですよね。もちろん、もっと精度は高いですが、ロジックはそっくりです。
ダイエットについて紹介するページに、アフィリエイターが選んだ、エステサロンのバナー広告がのっている。
これ、昔からある図式なんですよね。
そのため、コンテキスト広告の広告配信は、広告効果として、最初、どのくらい出てくるかは、従来のcookieを活用したweb広告と比較したときに、ちょっとがっかりするかもしれません。
これら2つが、コンテキスト広告のデメリットとして考えられます。
そもそも、なぜ、コンテキスト広告が生まれてきたのでしょうか？
背景としては、前述のとおり、cookie情報が取れなくなるからです。サードパーティクッキーの非推奨化の波の力ですね。
そもそも サードパーティークッキーとは
クッキーは、サーバとユーザーが使うchromeなどのブラウザ間でデータをやりとりしてくれる機能です。chromeやsafariなどのブラウザは、このクッキーに、Webページにアクセスした履歴やログイン情報などを保存しています。それを、webサイト側が見て、そのクッキーに応じた広告内容を表示させています。
そんなクッキーの1つの種類が、サードパーティクッキーとなります。
サードパーティクッキーは、ユーザーがアクセスしたページ、検索履歴、購入履歴などの情報を分析して、ユーザーの興味関心、インターネット上でのアクションと関連性の高い広告を表示しています。
それゆえ、プライバシー問題に発展するのです。また、クッキー情報の漏洩により、ネットバンクなどへの不正ログインなどが問題になりました。
これらに応じて、国や団体、州などが法律や条例で、プライバシー保護を目的に違反した場合の罰則を強めました。
それらの圧力に基づき、2020年1月には、Googleが「Google Chrome」におけるサードパーティーCookieのサポートを2022年までに廃止する方針を打ち出しました。
コンテキスト広告 google
Google広告には、すでに、コンテキスト広告に近しい広告があります。
コンテンツターゲットの仕組みを使ったディスプレイ広告です。
参考）Google広告ヘルプ
コンテンツ ターゲット
https://support.google.com/google-ads/answer/1726458?hl=ja
Google広告のネットワーク上で、指定したキーワードについてのコンテンツがあるホームページに、ディスプレイ広告を配信するターゲティングの方法です。
基本的には、ホームページの中にあるコンテンツに対して、ターゲティングを行う仕組みが、コンテンツターゲットなので、コンテキスト広告と近しいです。
- クリック単価が安いこと
- キーワードで広告配信面を絞れること
この2点が売りのサービスです。
プレースメントから、配信後に、どんなwebサイトに広告が掲載されたかもチェックできますよ！！
コンテンツターゲットの設定方法は、広告グループの設定で「コンテンツターゲット」で「キーワード」を選択して絞り込むだけです。
なお、初動は、ついつい絞り込みすぎて、配信量が少ない。。みたいなことが起きがちですので、ご注意ください。コンテンツターゲットは、正直、あまり絞り過ぎない方がいいですよ。
コンテキスト広告 媒体
コンテキスト広告 を 扱える媒体は、基本的には、
- Yahoo
- GumGum
- Criteo
といったところになります。
GumGumは、コンテキスト広告では、有名どころですね。
コンテキスト広告 ガムガム
GumGum（ガムガム）は、コンテキスト広告では、リーディングカンパニーという認識が強い方も多いでしょう。
GumGum 日本公式サイト
https://japan.gumgum.com/
ガムガム独自のAIで、Webページの文脈、画像を識別して、広告を配信してくれるサービスですね。
ガムガムは、米国カリフォルニアに本社があります。
日本の会社は、2017年5月、設立となっています。
ガムガムの事例としては、大塚製薬です。「ポカリスエット」のプロモーションにて、GumGumを活用しているそうですね。ブランド毀損につながりにくい！という強みを生かしていますね。
コンテキスト広告 Criteo
Criteoも、コンテキスト広告を推進しています。
MarkeZine
Cookieレス×フルファネルに対応！Criteoのコンテクスチュアル広告が持つ強み
https://markezine.jp/article/detail/38068
上記の記事でインタビューされているように、新たな広告配信の形として、コンテキスト広告を押している感じですね。
親和性の高いクリエイティブの用意は必要としても、キャンペーンの効果を最適化するために、広告閲覧から検討、購入までフルファネルでのアプローチを、クリティオは、考えながら、可視化してくれているようですね。
気になりますね。クリティオのコンテキスト広告。
まとめ コンテキスト広告 クッキーの取れない時代こそ の 広告
サードパーティクッキーが使えなくなると、広告効果が落ちる！そんなことはありません。コンテキスト広告があるから。
というかんじのコンテキスト広告。
コンテキスト広告は、Cookieも、広告ID、デバイスIDも使わずに、広告を配信し、ユーザーに価値あるPRをする方法です。セキュリティ、個人情報保護の観点から、今後、どんどん期待されていくインターネット広告の1つです。
ポイントは、人ではなく、コンテンツにフォーカスして、情報を表示することから、コンテキストターゲティングという言葉で表現される動きです。
ここが、AI（人工知能）の精度に関わってきます。
ITP（Intelligent Tracking Prevention）、GDPR（General Data Protection Regulation、CCPA（California Consumer Privacy Act）といった国際的な制限を日本企業もしっかりと捉えて、インターネットでの広告展開をしていく必要があります。
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