デジタル広告を社内で運用することを、インハウス運用と言います。デジタル広告のインハウス運用は、CPA改善につながります。デジタル広告は、webマーケティングを中心に、今や、ビジネスの成功のカギになっています。販売を促進するうえで、重要なファクターなんです。
実際、リアルなマーケティングも重要ですが、大手企業の状況などを見ていても、実際、ホームページからの購買促進、ECサイトでの売上は、ビジネスにおいて、大きな比率を占め始めています。特に、コロナの影響で、リアルでの購買だけでなく、多くの企業が、ECサイトを始めたり、デジタルでの受注体制を強化しました。
大手アパレルのユニクロにしても、デジタルマーケティングを強化しています。以下、事例のご紹介です。
ユニクロ/2022年、EC比率18%以上目標に
出典 流通ニュース https://www.ryutsuu.biz/ec/k041311.html
そうなると、webマーケティングの中でも、販売促進に影響の大きいweb広告は、重要な課題になってきます。1つの方法ではあるものの、web広告によって、売れる売れないの影響は大きいのは事実なんでしょうね。
さて、そんな中で、web広告で費用対効果の指標となるCPA。使った広告費に対して、目的となるCV(コンバージョン)が、1件いくらで、獲得できたかがわかる指標です。
CPAを改善することで、リード獲得やECでの購買など、CV数の増加につながるため、デジタルマーケティング、web広告の運用を内製化する動きもでてきています。
そこで、今回はweb広告の運用を内製化(インハウス化)するコツについて解説をしていきます。CPAをより下げることができるデジタル広告のインハウス運用。実は主要なコツは、10個の秘訣だけです。難しく考えなくてもいけますよ!
web広告 インハウス 運用 メリット
web広告の運用を内製化(インハウス化)するメリットが、まず、どれだけあるのかを考えてみましょう。
そもそも、自社がweb広告の運用を内製化する意味があるのか、そこから考えていかないと、成功する可能性は、どんどん下がっていきます。
web広告の運用を内製化するメリットは、
- 運用手数料がかからない(広告媒体費が増える=露出量が増える)
- 自社内にweb広告運用ノウハウが溜まる
- クリエイティブやキャンペーンの連携がしやすい
おそらく、上記の3つですね。
ちなみに、運用手数料がかからないというのは、広告代理店の手数料分のキャッシュアウトがなくなるからです。
通常、多くの企業が、web広告の運用を、広告代理店に依頼しています。餅屋は餅屋ですからね。ノウハウもたまっているので、比較的スムーズな広告運用が開始できます。
しかし、広告代理店に、デジタル広告を依頼すると、広告の運用手数料として、15~20%の運用手数料がかかります。場合によっては、25%という運用手数料のケースも存在します。具体的な金額でネット広告の運用手数料を解説すると、50万円の予算なら、20%マージンであれば、10万円は、広告代理店の手数料になります。
社内で、web広告を運用することによって、上記で解説した10万円の広告手数料は、かからなくなります。
結果的に、CPAは減少する可能性が出てきます。キャッシュアウトが確実に下がるので、広告費は下がりやすくなります。
しかし、当然ながら、社内の人件費はあがります。これをまず、良しとするかどうか。
ただし、ネット広告の運用で、人件費はあがるかわりに、デジタル広告のノウハウはたまりますよね。
ただし、これは、俗人化すると意味がないので、デジタル広告の運用・設定についてのフローやログを作っていかないと、結果的に、デジタル広告の運用を内製化する意味がなくなります。
web広告の運用は、日進月歩変わっていきますので、このあたりの収支は、全体的な面で戦略的に考えておかないと、ただ、広告費が下がる、というのだけを追求しても、事業としては、収支が悪くなるだけですので、要注意です。
ここで、web広告のインハウス運用についてのイメージを具体化してもらえるように、インハウス運用を解説した動画も掲載しておきます。
youtubeのノウハウ系動画はわかりやすいですよね。さて、デジタルマーケティングのインハウス運用のイメージもついてきたと思います。
また、インハウス運用をすることで、社内のキャンペーン、SNSとの連携がしやすくなります。突発的に行うプレゼントキャンペーンなどとの連携もしやすいですよね。もちろん、小回りの利く広告代理店がweb広告を運用してくれているのであれば、キャンペーンの連携も、スピーディーに対応をしてくれるでしょうが、そうもいかない代理店もありますからね。
web広告 インハウス 運用 デメリット
もちろん、逆に、web広告の運用を内製化するデメリットもありますので、ご注意ください。
- オープン型のweb広告しか使いにくくなる
- 成果が出てくるまで時間がかかる
- 講習会、研修、サポートが必要
- ノウハウを俗人化させないようなフローが必要
デメリットとしては、こんなところですね。
Googleのリスティング広告や、GDNなどのアドネットワークだけを利用するなら、たしかに、web広告の運用を内製化しても、実施が可能ですが、たとえば、DV360などは、特定代理店しか扱えないので、自社内では、出稿ができません。
また、タイアップ広告や記事広告なども、わりと、DACやCCIなどのレップを通さないと実施ができないケースもあります。
SNSのインフルエンサー活用も、広告代理店を活用した方が、さまざまな提案をもらえるケースが多いですし、交渉事で、時間を取られる可能性があります。
ついでに言うと、弱小広告代理店だと、DACやCCIが相手にしてくれないケースもありますが。web広告の運用を内製化するために、広告代理店を子会社で作ったケースも聞いたことがありますが、結局、広告の仕入れがうまくいかずに、親会社のコーポレートサイトや、サービスサイト、LPなどのweb制作会社みたいな機能になったというケースも聞いたことがあります。
web広告 インハウス運用 目的
メリットデメリットを見ていただいたうえで、理解を深められる観点としては、インハウス運用の目的です。なぜ、自社は、web広告の運用を内製化するんだろう、その意味は?目的は??というところを明確にしていきましょう。
web広告をインハウス運用する目的は、
- 自社で販売促進できるスキル、ノウハウを作る
- web広告の運用費を下げ、CVを増やすこと
この2つだと思います。
笑い話ではなく、昔からの広告代理店だと、デジタル広告が売れないという話を聞くケースがあります。
それは、自社内で、運用ができないから、実績がないため、提案できない、提案しても、数字感覚がないから、うまく成果をだせない、ということになるからです。
それゆえ、目的を意識して、web広告の運用を内製化を進めないと、ただ単に組織が、人材が疲弊することになります。
web広告 インハウス 運用 業務
web広告をインハウス運用する場合、どんな業務が発生するのでしょうか?
インハウス運用では、たとえば、こういった業務が発生します。
- リスティング広告 初期設定
- リスティング広告 キーワード登録
- リスティング広告 配信先設定
- リスティング広告 広告文 クリエイティブ設定
- リスティング広告 配信スケジュール設定
- リスティング広告 日別 月別 レポート 作成
- リスティング広告 キーワード 運用 予算 運用
- リスティング広告 広告文運用
- LPの最適化:キーワード追加、削減
- CVタグ 設定
- オプション 設定
上記は、リスティング広告のみで、これだけ、インハウス運用をした場合の業務です。
ただ、web広告は、リスティングだけではありませんし、そもそも、リスティング広告だけでも、Yahoo、Googleと媒体が2つありますから、2つ分の設定もしないといけません。さすがに、媒体がYahoo、Googleで2つあるから、倍の工数がかかるまでは言いませんが、リスティング広告だけで、これだけあります。
運用型広告には、このほかにも、ディスプレイ広告があります。Google、Yahoo、そのほか。
また、facebook広告、インスタグラム広告などのSNS広告もあります。
さらに、a8.net や バリューコマースなどのアフィリエイト広告もあります。
もう1つ対象についてお話しすると、これは、サービスが1つの場合です。webサイト以外に、アプリなどを販促しないといけない場合、アプリ側の広告の検討も必要になってきます。
そして、もう1つ。各運用型広告の勉強です。
新しい機能、削除される機能の設定。
いまトレンドとなる設定方法。
これらの知識獲得、運用への導入は、運用型広告にとって、とても重要です。
デジタル広告の運用をインハウス化するということはこれだけの業務を行えるような体制を考えないといけません。
結構な業務量になることが、想像できると思います。
web広告 インハウス運用 成功される 10のコツ
上記のように、web広告の運用を内製化するメリットデメリット、目的を解説してきましたが、この中で、書いたことのまとめ的な話が、web広告運用を内製化するコツです。
実際に、見てきた中で、感じる部分も含め、以下が、web広告の運用を内製化するコツです。
- 担当者を2名以上つける
- 企画からクリエイティブ、設定、チェック、分析の運用フローを作る
- ドキュメント化する業務を必ずいれる
- 最初にKPIを立てる できれば予想値も。
- レポートをまとめる
- 日々の業務の中で、データチェックのフローを入れる
- 媒体からのサポートや研修を受ける
- 運用する広告の範囲を決める
- 負荷が高いときは、広告代理店にアウトソーシングする
- 自動化できる部分はツールを導入、活用
担当者を2名以上にする理由は単純で、1名だとさぼるからです。切磋琢磨、相談できる体制、引継ぎできる環境。これらは重要です。
運用フローを作っておくと、ノウハウはたまりやすくなりますし、そもそも、ミスが減少します。そして、成果が出なかったときに、何がいけなかったのか、といった原因を振り返るときに効果が出ます。
このとき、設定で、何をどうしたか、といったことなどをメモ程度でも、書いておくと、いいですね。
ドキュメント化する業務を行うことも重要です。人は忘れます。さらに言えば、web広告の運用は、パターン化することもできるため、1度、ドキュメント化をしておくと、結果的に、あとで、効率化しやすくなります。
たとえば、春に実施したキャンペーンを秋にも同じように実施する場合。
リスティング広告のキーワードなどは、データ化しておけば、そのまま活用できます。
キャンペーンを消したりせず、管理画面に残しておきましょう。そして、それがどのキャンペーン化をドキュメント化しておきましょう。もちろん、リマケのリストもそのまま活用できますし。
日々の業務の中で、毎日1時間でも、出稿状況をチェックする時間を定期的にいれるべきです。ルーチン業務ですが、とても大事です。そして、意外と、ほかの業務の関係で、それをしなかったりするケースも出てきます。結果的に、クローズ予定のキャンペーンをクローズし忘れたとか、予算を消化しすぎたなんてことも発生します。
運用する広告の範囲を決めるのは、意外と重要です。なんでもやろうとすると、パンクします。SNS系の広告は、担当しない、など、最初のうちは、ルールを決めつつ進めた方が良いです。
そもそも、広告代理店でも、リスティング系の広告代理店もいれば、SNS系のみを取り扱う広告代理店もいて、DSPやアドネットワーク系の広告代理店がいるくらい、専門的なものです。徐々に範囲を増やしていくようにしましょう。
そして、大事なことの1つです。
業務負荷が高いときは、広告代理店にアウトソーシングすることです。無理をすると、ただ単に広告費用を浪費するだけです。
考えてください。社内の営業さんが一生懸命につくった利益を、無駄に使うことになってしまいますよ。
また、出稿できない媒体は、広告代理店に任せるなどのことも重要ですね。効果でそうなのに、自社で運用できないweb広告は試さない、これは、本末転倒です。
そして、自動化できる部分が見えてきたら、運用型広告の運用ツールを導入していきましょう。
レポート作成の自動化や、キーワード設定の共通設定、クリエイティブの情報確認
広告運用ツールを活用することで、これらを一元化、自動化できます。
広告運用ツールを導入することで、本来、考えることに割くべき時間を増やすことが可能になります。
web広告が重要な販売促進方法だということが、一般的になってきている事例
私がいただいたお問い合わせの、リアルな事例です。
レストランの集客をしたい。このときお店から相談されたのは、インフルエンサーを使って集客をしたいというご相談をいただきました。
一般のレストランですよ。チェーン店ではありません。
本当に、スマホの影響力がすごいんでしょうね。
2000年から考えると、すごい時代になりましたね。インターネットの影響が、ここまで出てきているなんて。
また、youtube広告などを活用するケースも増えています。
これも、レストランなどの飲食店です。
チェーン店ではありません。
エリア設定などをして、少額の予算で、youtube広告を配信して、自社集客を行っているケースもあります。
また、フリーランスのコンサルを社内で契約をして、インハウス運用を行っている企業もいます。
日々の作業とは別のタスクをフリーランスのコンサルタントに依頼をして、リスティング広告の運用を社内で行っているケースもありますね。
LPと広告文のマッチングチェックや、広告文、クリエイティブの変更。
Google広告の管理画面での予算設定の方法などを教えてもらう!などで、社内運用の精度を高めていったりしていました。
デジタル広告 採用 求人募集 も インハウス運用
web広告を活用するのは、販促だけではありません。
求人募集でも、デジタル広告を活用して、マーケティングで採用をすすめている企業も増えています。
実際、リクナビやマイナビも、リスティング広告を活用して、求職者を集めていますよね?
indeedなどのような、デジタル求人サービスでも、リスティング広告などを活用していますよね?
ということで、採用活動でも、web広告運用型を活用するケースはありますが、これも、インハウス化する動きが増えています。
人事が音頭をとって、デジタル広告の運用をしていますね。
求人募集の場合、ある程度、決まったらランディングページになるので、クリエイティブ重視の運用が多いので、テクニカルな設定が必要なケースは少ないです。だから、採用活動では、リスティング広告をインハウス運用をしやすいのでしょうね。
まとめ デジマ web広告 運用 インハウス化 で CPA 改善&ノウハウ貯蓄
デジタルマーケティングをインハウス運用することのメリット、デメリット、目的、具体的な業務などを解説してきました。そして、これらをベースに解説をしてきまして、最後に、web広告のインハウス運用を成功させる、10のコツ。
広告費が下がるからいいよね!という発想でとらえると、よくないですよね。
成果を出す。費用対効果をあげる。
ここを考えながら、インハウス化をしていかないと、web広告の運用は、ろくなことになりません。
それでも、web広告の運用を内製化するか、そこは判断です。
手数料を下げたい ただ、それだけなら、広告代理店と交渉するというもっともシンプルな方法もありますよ。