これだけ、世の中や厚生労働省が働き方改革やネット利用を唱えているのにもかかわらず、あまりネット利用が浸透していないビジネス領域があります。2020年になっても、まだまだ狙い目なんです。それは、なんと 企業間取引(BtoB)のEC化です。
まだ、市場データをみると、30%程度しか、ECになっていないのです。企業間取引(BtoB)は。
そこで、今回は、2019年の市場データを下に、企業間取引(BtoB)におけるECでのビジネス比率について、解説をしていきます。
まず!EC化率について
EC化率とは、ネットとリアルを含めた全商取引のうちECサイトなどの電子取引された取引の比率です。
つまり、全体が100億円で、ECでの取引が2億円なら、2%というわけです。
では、このEC化率は、何の指標なのでしょうか?
EC化率は、その産業で、Eコマースの利用状況を示す指標なので、このパーセンテージが低いほど、まだまだ、Eコマース市場として、参入しやすい、ということになります。
要は、ビジネス的に進められる市場かどうか、競合が多いか少ないかをしめすバロメータなわけです。
BtoCでのEC化率 業界ごとのランキング
参考データとして、ご紹介するBtoCでのEC化率です。
2018年のデータをみていくと、EC化率の低い業界ランキングは、
- 食品・飲料:2.6%
- 車、バイク:2.7%
- 化粧品、医薬品:5.8%
これらが、市場としては、ECでのビジネスが少ない産業です。
ただ、上記が低いのは、自分ごとに考えるとわかりやすいですよね。
食品はスーパーやコンビニ流通が強いためですし、車・バイクは、高額商品なので、ECでの購入比率は低いわけです。
化粧品、医薬品は、薬局での処方箋やドラッグストアの流通が強いためだと思われます。
では、反対に、EC化率が高い業界のランキングは、
- 事務用品・文具 40%
- 生活家電・AV機器・PC 32%
- 書籍・音楽・映像ソフト 30%
となっています。
amazonのEC領域にみえますね。コレだけみますと。
上記から、比べると、企業間取引(BtoB)のEC化率が30%あれば、いいのでは?と思うかもしれませんが、次に考察していきます!
日本国内の企業間取引(BtoB)のEC化率は30.2%
そもそも、マーケットの規模が、BtoBは、BtoCよりもはるかに大きいのです。
2018年のBtoBのEC市場規模は約317兆円。
はっきりいって、これだけでも大きいマーケットです。
この中での割合で、まだ30%しか、Eコマース利用がされていないのが現実なのです。
事務用品・文具のBtoCのEC市場は、せいぜい2,000億円規模の市場です。
比べてみてください。比率がまったく異なります。
また、今回のデータは、経済産業省の調査結果より出しているのですが、この値は、本当は、通常セールスなのに、取引だけEコマースという数字も入っています。電子発注が、ECとしてカウントされている可能性があるのです。
それゆえ、実際の日本国内の企業間取引(BtoB)のEC化率は30.2%にはいたっていない可能性が大いにあるわけです。
次は、企業間取引(BtoB)の業種別データの内訳をご紹介します。
企業間取引(BtoB) 業種別EC市場規模
2018年のデータでまとめていくと、EC市場の大きい業種のランキングは以下です。
- 製造業
- 卸売業
- 金融
となります。
これらはで製造業や卸売業がECになっている理由は、単純で、物があるからです。わかりやすいんですよね。
製造業の中には、食品や輸送機器、鉄、金属などもありますが、
中でも、輸送用機械については、ECでの取引が多い業態になっています。
ただ、Eコマースで、買ったとは思えないですよね。
先に営業がいて、ただ、購入方法として、Eコマースだった。。ということだと思います。高額商品ですから。
また、Eコマースなのに、なぜか、卸売業も多いのが、日本の特徴です。
卸売は中間業者ですから、不思議な話なんですが、やはり、物を多く持っているということもあるのでしょうね。
そして、そもそも、これも、先に電子発注をしているだけで、実際は、Eコマースではないと想定されます。
引用データ:
平成30年度
我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/H30_hokokusho_new.pdf
BtoBのEコマース利用を促進する鍵
BtoBのEコマース利用を促進する鍵は、決済です。
言葉を変えると、決済の承認をいかにシステム化できるかだと思っています。
そのフローをシステム化できるような仕組みを、Eコマース側が提供できるようになってくると、シンプルに、Eコマースの活性化につながるでしょう。
また、ベネフィットとして、取引の明確化による、国からのボーナスなども必要なのではないかと思います。
企業間取引(BtoB)におけるEC化の秘訣は、サプライヤー側のシステム化によって、購入企業側の担当者が受け入れやすいかたちを作っていくというのが正しいのですが、その1つの方法がサブスクリプションなのかもしれません。
月間の稼動量をサブスクリプションとして提供する仕組みづくりと、その量を明確にできる仕組み化があれば、非常に明朗な会計システムになりますし、アウトプットがたくさんできるようになるのではないか?と思っています。
銀行振り替えの決済システムも、よりフィンテックの技術で、実装しやすくしていけば、この部分も変ってきますしね。