オンラインでのマーケティングが活況なので、システム開発は重要な事業のファクターとなっています。そこで重要視されるのが、良いシステム開発ベンダーをどれだけ確保できるかどうかです。
インハウス(内製)でエンジニアを雇用する方法もありますが、限界がありますし、育成やマネジメントなどの業務も発生します。そのため、多くの企業では、上流工程を自社で行い、下流工程をベンダーに依頼するケースが多いです。
ですが、そうも言ってられないほど、スピード感をもって、DX化(デジタル化)を進めないといけないケースが増えてきています。そのため上流工程からベンダーに入ってもらいたいというケースもあります。
そんなときに役立つのが、RFI(情報提供依頼書)です。RFIは、官公庁などが率先して行っていますが、いずれ増えてくるシステム開発の流れの1つとなるでしょう。RFIは、システム検討のための情報を、システムベンダーに依頼して、システム開発を進める方法になります。
この記事では、RFIとは何か?RFIの内容をサンプルをもとに、注意点やポイントなど、いろいろと解説していきます。
RFIとは
RFIとは、情報提供を依頼する文書のことで、Request For Informationの略称です。RFIは、情報提供依頼書とも呼ばれます。
冒頭でも書いた通り、RFIとは、官公庁、公的機関が率先して発行して、システム開発などを推進しています。
RFIは主に、システム開発、作業、業務委託、ソフト・ハードの調達などを目的に作成されて、そのために、SIerやパッケージベンダーに、こういうものを探しているんですが、御社は、これに対しての何らかの情報はないですか?と尋ねるものです。
簡単に、RFIを説明すると、
「こういうシステムを作りたい」だから、それについての情報ください。立候補をしてください!とお願いする文書です。
それゆえ、RFIに対しての回答としては、
- 弊社はこういうアプリケーションを持っていて、こういう事例があります。
- 我が社はパッケージソフトでこういう課題に対して解決できています。
- うちの商品にあるので、このカタログを見てください!
- 自社のホワイトペーパーにある事例集に、課題解決の事例を掲載してます
といった回答になります。
通常、RFIについては、あまり、カスタマイズした提案を返答しないケースが多いのですが、もちろん、それでは不足するケースもあるので、カスタマイズした提案を行うシステム会社もいます。
RFI 記述内容 サンプル
上記のように記載しましたRFIですが、はて、RFIの内容はどんなものなのか、イメージがつかない方もいらっしゃると思いますので、記載します。
RFIについてのイメージを高められるように、RFI 記載内容のサンプルです。
■ RFI サンプル
- 機密保持依頼
- 簡易的な対象業務の説明
- 現在の課題
- プロジェクト 背景 経緯
- 現在検討している事項
- 課題に対する解決方法のイメージ
- 提供してほしい情報
- 情報提供手順
- 概算スケジュール
- 対象となる業務に関する開発経験、実績確認
- 概算料金
- パッケージソフトなら、カタログ
- プロジェクト体制
- 条件
- 方法の制限
といった内容が、RFI サンプル となります。
RFIは、本当に、こういう情報探しているんです、教えてください!という情報提供依頼の文書なんですよね。
せっかくなので、よく比較されるRFPとRFIとの違いについて解説した動画もご紹介しておきます。
ITパスポートという国家資格の試験にも登場するお話なんですよね。
RFI 目的
そもそも、RFIを作成する目的とは、なんでしょうか?
大きく分けると2つあります。
- システムベンダー 選定 発見
- 商品、サービス、システム、ソフトの情報収集
この2つがRFIの目的です。
基本的には、1つ目は、RFP(提案依頼書)によって、行われるもののため、RFIの主たる目的は、その前段となる2つ目の情報収集なのですが、スピード感が要求されるため、結果的に、システムインテグレーター、システムベンダーを選定するために、行われるケースも増えてきています。
また、最初に書いた通り、上流工程からプロに入ってほしいから!という理由も増加しています。仕様策定、システムの企画は、それなりに知識が必要ですからね。
RFI 記載例 詳細 解説
RFIを書いていくうえで、重要視すべきポイントは、こちらが、何を求めているのか、という点です。
RFIを書こうとしている時点で、依頼をする検討に入っているので、そこを意識して、RFIは書くようにしましょう。
つまりは、何を回答してほしいかを、誘導する聞き方が重要なのです。
では、RFI 書き方のポイントとなる3つの点についてまとめていきます。
以下がRFI書き方重要ポイント3つです!
- 製品情報
- 情報提供者情報
- 導入実績
個別にまとめます。
RFI で 求める 製品情報
今、こちらが、困っていることはこれで、それに対して、どんなシステム、ソフトがありますか?
という問いが抽象的なRFIの質問です。
それゆえ、回答内容としては、こういう製品があるよ、こういう技術で対応するよ!ということになります。
しかし、フォーマットをまとめておかないと、比較できません。
なぜなら、RFIを出している時点で、そんなに、そのシステム、業務に対して詳しくないケースが多いからです。
そこで、RFIで求める回答の書き方として
- 製品名
- 製品で解決できること3点
- 主な機能
- 開発言語
- 開発インフラ、基盤
- ソフト名
- 平均料金
- 概算開発期間
上記の製品情報を、ベンダーからもらうようにしましょう。
そうすることで、比較がしやすくなります。
ただし、全部の情報を埋めてもらわなくてもOKにしておきましょう。
なぜなら、RFIに対しての回答、提案の幅が狭まるからです。
RFI 誰が対応するの?情報提供者情報
意外と、抜けがちな話ですが、
- 実際、RFIに対しての開発、稼働は、誰がするの?
- 誰が、情報提供してくれたの?
という情報提供者情報です。
情報提供者情報は、
RFIでは、以下のように求めましょう。
- 会社名
- 会社概要
- スタッフ数
- 会社URL
- 担当者名
- サービスサイトURL
- 連絡先
- 体制
- 資本金
- グループ会社かどうか
といった部分の情報をもらいましょう。
実際、反社会勢力から情報提供をしてもらっても、困ってしまうケースもあるでしょうから、しっかりと、そのあたりを明確にできるようにしておきましょう。
ベンダーの会社情報としては、本社所在地や、連結売上高なども聞いていくのもいいかもしれませんね。
RFIで聞いておくべき!導入実績
RFIを書くときには、ぜったい、情報提供依頼事項として、以下は、求めてください。
それは、
- 導入実績
- 事例
です。
それも、
何社に何システム導入したか?
どのくらいの規模の会社に導入したか?
といった導入実績の聞き方をしてください。
IT導入補助金などでも、そのシステムが、いままで、何社に導入していますか?どのくらい売上ましたか?という質問があったりしています。
システムの導入実績の数は、ノウハウの量と比例しますからね。
また、システムの場合は、小さい会社向けの商品では解決しないことも多いです。
しっかりと、RFIの回答項目として、盛り込みましょう。
RFI 注意点
RFIを作成するとき、注意した方がいい点です。
- 課題は明確に
- 細かく制約をつけない
この2つです。
RFIを書くという段階では、課題くらいしか、明確なことはありません。
なので、課題くらいは、明確に書きましょう。
回答の内容もピンぼけしますよ。
また、RFIを書く際に、細かく書きすぎても、NGです。
それによって、そもそも、システムベンダーが手をあげてこなかったら、笑えませんからね。
事例として、ある企業が記述したRFIでは、1社しか集まらず、その1社の提示した予算感は、莫大すぎて、その企業は、該当システムの検討をやめた、という事例があります。こうなってしまうかもしれないんですよね。
RFIもバランスが大事なんですよね。
まとめ RFI 基礎知識 システム選定 で コスト削減 効果も!
いかがでしたでしょうか、RFI。
RFIについての基礎知識はついたと思います。
RFIの目的、イメージはついていると思いますので、サンプルを見ながら、書いてみるといいと思います。
前述のとおり、RFIは、課題以外は、あいまいなことがあっても、いいと思いますから。細かく制約、条件をつけず、まずは書いてみましょう。
RFIを導入することで、いいシステム開発ベンダーに出会えた!という結果もたくさん耳にします。
RFIを書く前は、大手企業しか出てこず、コストがあわない、という日常だったのが、RFIによって、さまざまな情報が入ってきて、本格的なシステム検討ができた!という話も聞きました。
とはいえ、RFIは原則「お願い」ベースの文書だということは理解してくださいね。
事前にRFIで情報収集して、最終的には、RFPというのもありなので、まずは、情報がたくさん集まるようなRFIの書き方をしていきましょう。
最後に、参考までに、RFPの書き方についての記事もご紹介します。
提案依頼書 書き方 伝わる RFP に 必要な項目 41 事例
https://saras-wati.net/knowhow/request-prposal-doc-knowhow202006/
41のRFPの書くべき項目を過去の事例から書いていますよ。