シニア世代向けのプロモーションをしたい!というニーズは非常に多くなってきています。これは、若者の消費が減速していることに起因しているのだと感じます。
しかし、何が効率的に、シニア層へのリーチができるのか?
そこはやはり、web、スマホなどでの広告が効率的にリーチできるのですが、それがいいのかどうか、リサーチ結果を見てみないとですよね。
そこで、今回は、イオン株式会社が実施したシニア層のスマホ利用調査についてご紹介していきます。この調査は2019年10月下旬の調査結果で、イオン株式会社が実施した調査なんですが、なんで、こんな調査を、大手流通のイオンがするのだろうか、と考えたところ、そういえば、イオンモバイルを持っていましたね。イオン株式会社さんは。
と思ったところで、今回の、2019年版:50代~70代のシニア層に対して行ったスマートフォン利用状況調査について。
2019年10月版 シニアのスマホ利用調査について
この調査は、イオンリテール株式会社が提供するイオンモバイルが行った調査です。
シニアのスマホ利用状況の調査は、インターネット調査による手法で行われたものなので、ネットリテラシーが多少ある方に対して行われた調査なんでしょうね。
調査は、2019年10月21日~2019年10月24日の期間で行われたものです。予備調査で、1万人にアンケートを投げかけ、その際に、スマートフォンを利用していると回答した50歳~79歳の男女1,000人を抽出した調査です。
シニア層のスマートフォン所有率
シニア層でスマートフォンを持っている割合は、約7割という調査結果でした。
なお、ネットに関するデバイスとしては、以下のランキングだったそうです。
- ノートPC 50%
- スマートフォン(アンドロイド) 45%
- スマートフォン(iPhone) 23%
ここから垣間見られるのは、iPhoneのようなスタイリッシュなスマホよりも、手軽に購入できるアンドロイド系のスマホの方が人気なのかもしれませんね。
シニア層の毎月通信費平均 大手3キャリアで約5,000円、格安SIMで1,500円
シニア層のスマホ利用における毎月通信費は、結構低めです。上記にも書いたように、アンドロイドの入手しやすい価格帯のものを、そんなに使わないようにしているようですね。ガラケーの携帯電話のころに比べると、通信費は落ちたのかもしれませんね。
- 2,000~3,000円未満
- 3,000~4,000円未満
上記の料金帯が、約15%ずつ存在しており、もっとも多かった状況です。
そして、大手3キャリアの利用者になると、平均4,800円の月額通信料。
格安SIMだと、毎月の通信料が、1,000~2,000円未満が、36%ともっとも多い状況でした。
シニアの平均通話時間は10分未満
スマホを使って、電話した時間は、1回あたり、10分未満で、91%という状況でした。
ほとんど、スマホで長電話をしない傾向にあります。
これは家庭用の電話があるからかもしれませんね。
ちなみに、調査で見えたことの1つとして、女性は他の年代と比較して、高齢者になればなるほど、通話時間が長くなるそうです。
毎日利用で多かった「LINE」&「メール」
電話やメッセージのやりとりをする頻度について調査したところ、
毎日の連絡ツールとして活用しているのは、
- LINEのメッセージ 35.6%
- メール 33.5%
- 電話 19.6%
と、ほとんど、この3つになっていました。
これを見るところ、LINEが、シニア層にもがっつり普及していることがわかりますね。
シニアの利用しているアプリジャンル:天気、ニュース、ナビ
このアンケートにおける回答は、面白かったですね。
LINEをあれだけ使っていても、アプリとしてカウントしていないんだなと感じました。
ちなみに、シニア層が使っているアプリのジャンルランキング、ベスト10は・・・
- 天気 74%
- ニュース 46%
- ナビ 41%
- ネットショッピング 34%
- SNS 32%
- クーポン、ポイント 28%
- QR、バーコード決済 26%
- 動画共有 23%
- レストラン検索 18%
- 旅行 17%
このランキングから、シニア層にスマートフォンで広告を配信するなら、
DSP広告で、天気、ニュース、SNS といったところへの配信が良さそう、
という判断になりますね。
LINEのアドプラットフォームもよさそうですが。
しかし、ネットショッピングよりも、ナビのほうが使われているのも、意外な結果でしたね。
まとめ:シニア層へのリーチも、スマホ広告の効果があがっているはず
このシニア層のスマホ利用調査を見ていると、上記に記載した考察以外にも、いろいろと見えてきます。
たとえば、
アプリ。
- 何を使っていいかわからない。
- 設定がよくわからない。
- パスワード管理が大変。
この3つの声が多いようでした。
ここから考えるに、シニア層向けにアプリを展開するなら、
- シングルサインオンや、googleアプリ認証は必須
- むしろ、認証なしで、さくっと使えるのが理想
- 設定を必要とせずに、使えるアプリが理想。
- 何を使っていいかわからないユーザーが多いから、紹介や提案が必須。
また、アプリのジャンル利用率を見ると、
- ヘルスケア
- メディカル
この2つのアプリジャンルの利用率は、10%にも満たない状況です。
つまり、ここはビジネスモデル的に、まだまだブルーオーシャンなジャンルなのだと考えられます。
ここは面白いという判断ですね。
メディカルアプリで、オンライン診療系のアプリなどは、シニア層にも確実にささりそうなのですが、おそらく、知らない、あるいは、設定がわからない、ということなんでしょうね。利便性を考えると、ここは大きそうなのですがね・・・
とはいえ、シニア層の7割が、スマホ利用をしていると考えると、普及は完全にされてきているスマホです。
特にアンドロイドのスマホ。
ネイティブアプリ開発の順序が、シニア層向けの場合、アンドロイド優先にしたほうがよさそう!という判断になってきますね。
出典:PRTIMES
シニアのスマートフォン利用に関する調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002039.000007505.html