ポイントシステムは、顧客管理(CRM)システムや、基幹システム、ECシステムなどと密接な関係を持っています。また、それだけではなく、リアルな店舗でのマーケティングとも関係性が高く、ネイティブアプリとの連動などで、広く普及しています。
ポイントサービスは、いまや、顧客サービスの大きな柱です。
とはいうものの、ポイントシステムの導入って、どうすればいいのか?イメージがつかない、というケースもあります。そこで、今回は、ポイントシステムって、そもそも、何か。どんなものがあるか。どう導入について検討すべきかをまとめました。それこそ、ポイントシステムのポイントについて解説します。
ポイントシステムとは
ポイントシステムは、楽天ポイントや、dポイントなどが代表例になるポイントを管理するシステムです。
顧客ロイヤリティを高めるマーケティングで活用するシステムですね。
ポイント管理といっても、基本的には、
- ポイントの付与
- ポイントの消化、減算
- ポイント交換
- ポイントの期限切れ消化
- ポイントの確認
といったところがメインのポイントシステムの機能になります。
ポイントシステムは、ユーザーアクションに基づいて、ポイントの付与をすることがベースになります。
会員登録、商品レビュー登録(クチコミ)、商品購入など。
ただ、ポイントシステムといっても、
- posで管理するもの
- 基幹システムで管理するもの
- webシステムで管理するもの
といったところがあります。
ちなみに、1と2の場合、webシステムと連動させる場合に、
API連携や、あるいは、webシステム側で、基幹システム、posシステムとの交換システムを考える必要があります。
ポイントシステム できること
ポイントシステムは、ポイントの付与と消化、交換が物理的にはできることです。
これが基本です。
これらの機能を応用して、以下のマーケティング施策ができます。
購入金額に応じた会員ランク管理 CRM 基礎データ
ECサイトの場合、購入金額におうじて、ポイントを付与する仕組みを導入しているケースが多くあります。
この機能を活用すると、
購入金額に応じた会員ランク管理ができるようになります。
CRMの基礎データとして、ポイントを活用する考え方ですね。
いわゆる、
- ゴールド会員
- シルバー会員
- ブロンド会員
みたいな、設定付です。
JALのマイレージサービスなどでも、この会員ランクの設定が、顧客ロイヤルティの向上につながっているそうです。
実際にある会社の社長さんは、ダイヤモンドランクにするために、わざわざ出張を増やしたというお話を聞いたこともあります。
ポイントがなくなるから、購入してね!機能
これも、ECサイトでよくある機能ですが、
ユーザーのポイント有効期限を表示することで、
ポイントがなくなるから、購入をしたほうがいいよ!
というメールマーケティングなどを行うことができます。
これは、楽天ポイントや、Lineポイントなどでも活用されています。
来店促進 ポイント で 販促!
ポイントが付くから来店してください!というポイントサービスを展開している企業さまもいらっしゃいます。
ポイントの付与は1ポイントくらいの付与なので、わりとばらまき型のマーケティングですね。
しかし、これを応用して、来店タイミングをポイントの付与タイミングで管理することができるようになります。
ポイント付与時間から、毎週火曜日の17時に来店されるカスタマーかどうか
などの判断ができるようになります。
これがわかると、LINEのお友達追加などをされている場合、LINEメッセージAPIを活用することで、対象のユーザーにだけ、その日、その時間のセール情報を送る、などのマーケティングができるようになります。
配信対象者がセグメントできるため、LINEのメッセージを送信する量が減らせて、結果的に、lineのメッセージ配信コストの削減ができます。
ポイントシステム メリット
ポイントシステムのメリットは、
- 上記のようなwebマーケティングができること。
- そして、O2Oマーケティングがしやすいこと。
- 顧客サービスの増加
- 顧客接点の増加
と思われます。
もう1つは、他社とのアライアンス提携がしやすいことです。
ポイント交換機能を活用することで、
他社さんとのアライアンス提携はしやすくなります。
商品とポイントとの交換などであれば、導入障壁が下がるからです。
こういうアライアンス提携についても、ポイントシステムの導入メリットですね。
ちなみに、いいことばかり書いても・・・ですので。
ポイントは、当然ですが、計上をしないといけないものになります。
ポイント 計上 負債 として扱う
企業会計基準委員会が2018年3月30日に公表した「新収益認識基準」にのっとって説明を簡単にします。
ポイントの計上は、ポイント付与時に付与したポイントに対して履行義務があるとみなされるため、契約負債という扱いになります。
それゆえ、仕訳上は、負債の部に計上します。
今までは、ポイントがつかわれたときに、負債として計上していたのが、付与したときに計上をしないといけなくなりますので、ご注意ください。
なお、新収益認識基準は、原則、2021年4月からの導入となっています。
ちなみに、この適用対象企業は、公認会計士の会計監査が義務付けられている法人なので、それなりに規模の大きい企業が対象になります。
ポイントシステム 導入方法
ポイントシステムの新規開発や導入方法については、大枠2つの方法があります。
- 自社開発(スクラッチで自社内で開発、外注して開発)
- ポイントシステムのASPサービス、クラウドサービスを導入
ポイントシステムの機能は、おおまかなところでは同じなことが多いので、ポイントシステムのASPサービスを活用するケースが多いですね。
なお、ポイントシステムのASPサービスについては、個人情報管理を自社内だけでできるものと、ポイントシステムのASPサービスを使わないとできないものとに分けられます。
コストだけで考えると、セキュリティ面の配慮も必要になりますので、ご注意ください。
ポイントシステムを、自社開発する場合は、
EC-CUBEをベースにカスタマイズするケースもあります。
以下のように、公式サイトにも記述があるのです。
ポイント購入機能
商品購入で蓄積したポイントを利用して商品を購入することができます。
引用:ECCUBE公式サイト 機能一覧
https://www.ec-cube.net/product/functions.php
あるいは、システム開発会社さんのほうで、すでに作成したことのある、ポイントシステムもありますので、それを活用させてもらうという方法もあります。
ちなみに、ポイントシステムの自社開発のメリットは、
ポイントシステムを顧客ロイヤリティにつながるシステムとして考えたときに、
ポイントシステム自体の汎用性を高くできるところです。
たとえば、あまりASPのポイントシステムではない機能が
- 他社とのAPI連携
- ユーザーごとのポイント倍率の変動
- ポイント手動付与の権限管理
ポイントシステムの機能によっては、ASPサービスでは対応できないものも多いので、そこができる自社開発でのポイントシステムの導入は、マーケティング的なメリットが大きいです。
個人的には、ポイントシステムの導入は、それなりにちゃんと導入した方がいいと思いますので、ASPサービスの導入よりも、コストはかかっても、システム開発をした方がよいと思います。
ちなみに、ポイントシステムの開発は、ASPサービスなら、数万円~100万円くらいの初期費用と、月額費用20~40万円程度。
ポイントシステムの開発は、自社開発の場合、数百万円~2,3千万円くらいです。
もちろん、機能、仕様やスケジュールによって変動します。
ECCUBEなどを活用すると、比較的安価にはできますが、ECCUBEの仕様にも依存してきますので、注意は必要ですね。
まとめ:ポイントシステムの導入は、マーケティングで何がしたいか!が重要
ポイントシステムについて、今回は解説してきました。
ポイントシステムでできること、こういうのもやれる!などもご紹介しました。
その中で、ご理解いただけているかもしれませんが、
ポイントシステムの場合、マーケティングで何を実現したいか、
ここを決めて、ポイントシステムの導入を進めないと、いい結果を出せません。
どんなマーケティングで、どんな成果を出したいか?
を明確にまとめておいた方がいいです。
それによって、ポイントシステムの導入方法を検討して、最適なポイントシステムの制作を考えていくのがいいですね。