この作品は「フィフスエレメント」というタイトルです。
雲空の一隅。青い空が中央にぼんやりと現れる。その一瞬にだけ現れる自然の要素。
それが五つあります。
パッションピンクが表象するのは炎。
水色が現すのは海。
薄い緑が表現するのは、地球でわずかになってきた木々。
黄色は土をイメージしています。
この四つに、中央の、青が示す空が加わって、五つの要素。
これでフィフスエレメントとなるわけです。
けれど、この絵は自然描写だけを訴えたいわけではありません。
むしろ、人の心を描きたいのです。
水色の示す理性。パッションピンクの発する情熱。薄い緑が現すのが和みで、黄色は楽観をイメージしています。そして、中央に潜む青が忘却を。忘却がすべてを中央に引き寄せ、人間を綺麗にしていく。それを描きたいのです。
だから、忘却を示す部分には、だんだんと色を変える細工をしているのです。また、清浄する機関ですから、それに王冠をつけているのです。時に、その王冠が重荷になって、忘れられないこともでてきますが。